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われも湖の子

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Entry#8

一燈照隅を生きる

西田 寿衛子さん(にしだ すえこ)

京都山科の一燈園で生まれた寿衛子さん。社交上手ゆえに顔が広い人、骨身惜しまず動く人、神事や仏事を疎かにしない人だという印象がある。やはりこれは一燈園で培われた精神なのだろう。
一燈園は明治期に或る思想家によって創始された団体で、現在は外部修行者の社会奉仕研修も担っている。特に京阪神ではよく知られた存在だ。そのホームページには「自然にかなった生活をすれば、人は何物をも所有しないでも、また働きを金に換えないでも、許されて生かされるという信条のもとに、つねに懺悔の心をもって、無所有奉仕の生活を行っているところ」とある。
「共同生活が当たり前の中で育ち、上下関係の大切さは一燈園で学んだのよ」
寿衛子さんがこう言うとおり、その場の空気を読んで誰とでも実に自然に打ち解ける様子はあざやかである。当時の一燈園のすわらじ劇園で女優として5年活動し、東京にいるときには「太陽にほえろ」などのドラマにも出演したという。芸能への関心が高く剣舞もたしなむ。現在は、「寿衛子きもの着方教室」を開きつつ、同時に疏水沿いの老舗会席料理屋の仲居も務める。かつて山科側の疏水の船溜まりで泳いでいた少女は、今は大津側の疏水沿いに暮らしている。琵琶湖疏水に縁が深い湖の子だ。
「その昔、都だった大津。大津は静かで大好き。他の土地にも暮らしたからこそ、ここにはここの良さがあるとわかる」と言う。私が見かけるときは、ジーンズに自転車で走り回っているか、着物で足さばきよく闊歩している寿衛子さん。ちゃきちゃきお祭りごとが大好きで SNS での発信を怠らない。同時に、弱っている人や困っている人を決して見過ごせない性分の姐さんなのである。

「寿衛子きもの着方教室」お問合せ:090-4610-0505

(2022 年 5 月 1 日 記 )

一燈照隅を生きる 西田 寿衛子さん
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