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われも湖の子

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Entry#7

日本文化の粋を伝える拠点に

清水 香瑠さん(しみずかおる)

大津市観音寺で「カフェ&ギャラリー WABI」を営む清水香瑠さんは大津生まれ。元々はお父上の持ち家だったこの家に小学1年から4年まで暮らしていた。その後各地に暮らし、数十年経って舞い戻ってきた人だ。建った頃は琵琶湖が目の前だった築95年のこの古民家を、わびた美しい風情を残しつつ2017年に改修し登録有形文化財に登録もした。
「大津のアイデンティティの一つでありたいと思うと同時に、カフェ&ギャラリー WABI を、クリエイターの経験を活かしたアイデンティティある企画や飲食が出来る場にしたい」とご本人はその志を語ってくれた。さまざまな年代の人たちに日本文化の良さを再認識してもらい、WABI を通じて大津を活気付けたいという。
香瑠さんは私よりも先輩であるし、何も好き好んで今更苦労しなくても生きていけるだろうに。話しを聞くたびに正直ようやるわと思っていた。しかし、この人のエネルギーレベルは高かった。「私は回遊魚であり続けたい」と言う。つまり、死ぬまで働き続けたいということらしい。WABI を「大津の隠居部屋」と銘打ちながらも一生隠居する気はないようだ。発言も時にアグレッシブで、よう言うわと思うこともないではない。だが、常に有言実行で他人に頼らず、無いものは自分で調達してくる彼女の逞しさをまぶしく思う。
香瑠さんは元々アパレルの会社にいたが、三十過ぎに独立して服飾デザイナーになる。その後二十数年一人でやってきた人だ。そんなある時、お茶のお稽古を再開して十年続ける。自分の天職だと信じていたデザイナーの仕事を辞めるほどお茶の世界に心酔し、日本文化の粋の域に飛び込みたくなったというのが WABI を始めるきっかけだったという。
WABI には香瑠さんのクリエイターとしての眼で選別された逸品がそこかしこにあり、楽しくも落ち着いた空間が広がる。日本文化の良さを見直すきっかけ作りをし、それによって大津を活気づけたいという点で古物商「郭巨堂」の水野さんと意気投合し、「水脈の会(みおのかい)」を立ち上げるという。
自分と共通属性がいくつかある香瑠さんを見ていると、ハラハラするが頼もしくもある。

ご参考:
https://www.instagram.com/wabi_wabi_k/

(2022年4月2日 記)

日本文化の粋を伝える拠点に 清水 香瑠さん

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